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はじめに ー量詞が難しい!ー
最近何かと編集メンバーがバタバタしていて本当に久々の更新になってしまいました、すみません💦
今回は、なにかとつまづく方が多い中国語の量詞について解説していきます!
恐らく、中国語を勉強する過程で、初学者の方が発音の次に突き当たる壁が量詞になるのかなと思います。
というのも、量詞はとにかく種類が多いし、明確な規則もない(ように思える)ためです。
実際、私も中国語勉強し始めた時は、割と真面目に量詞のところで挫折しかけました💦
正直量詞はめちゃめちゃ苦手でした笑
でも結局、後でお話しするようなことを踏まえて勉強した結果、かろうじて量詞を乗り越えて、なんやかんやで中国語検定準1級の合格まで漕ぎ着けました。そして今では量詞大好きの量詞マニアと化しています😅
そこで今回は、僭越ながら、私の実体験も踏まえて、皆さんが量詞を乗り越えて、中国語をより楽しめるようにお手伝いをさせていただきたいと思っています。
なお、以下の説明は、量詞を簡単に乗り越えることに主眼を置いているので、小難しい学問的な話は省くようになっています!
では早速、中身を見ていきましょう!
そもそも量詞ってなんのためにある?
さて、まずは量詞の意味合いについてご説明します。一応量詞の概要を知っていた方が理解しやすいと思うので、簡単に解説します。早く覚え方が知りたい方は、この段落は飛ばして次の段落に行ってください☺️
量詞の機能
量詞の機能は、なんといっても、関係する語の意味の明確化・具体化にあります。
例 ①量詞なしの文:「我喝水」(私は水を飲む)
②量詞ありの文:「我喝一杯水」(私はコップ一杯の水を飲む)
①量詞なしの文では「水を飲む」ことはわかりますが、どこからどれだけの量の水を飲んだのかは全く分かりません。もしかしたら蛇口から飲んでいるのかもしれないし、夜間から飲んでいるのかもしれません。ちょっとしか飲んでいないのかも知れないし、浴びるように飲んでいるのかもしれません。
一方、②「杯」という量詞のある文では、水を飲んでいるのはコップからで、しかも一杯分の量であることが明らかになっています。
これだけでも、①に比べて②では、何が言いたいのか明確になっていると言えると思います。
量詞をきちんと使いこなせなければ、意味がうまく伝わらなかったり、全然別の意味になってしまうことがあります。
量詞の種類
量詞は大きく分けて、名詞を数える名量詞と動作の回数を数える動量詞があります。
名量詞には、「个」,「条」,「张」など動量詞には、「次」,「场」,「顿」などがあります。
乱暴に言ってしまうと、動量詞に関しては初学者のうちは「次」さえ知っていれば問題ないと思います。実は文学作品などでは、動量詞の果たす役割はかなり大きかったりしますが、それはもはや上級者レベルの話なので、ここでは省きます。
よって、今回は名量詞について解説していきます。
量詞の楽しさ
先ほども書きましたが、改めて白状すると、私は量詞マニアです💧(もちろんみなさんは量詞マニアになる必要はありません。)
何が言いたいかというと、量詞は難しい反面、慣れてくればマニアになりうるほどの楽しさがあるということです。
同じ名詞でも、量詞を入れるだけで全然ニュアンスが違ってきたりするのはとっても楽しいと思いませんか?
例えば、「水」でも「一片水」なら広がりのある水、「一杯水」ならコップに入った水になりますし、「这个➕人」なら場合によってはこいつ的なニュアンスが出る一方で、「这位➕人」ならこちらは〜的なニュアンスが強くなります。
また、「空白」よりも「一片空白」の方がより空虚な感じが出たりとかします。
他にも動量詞にはなりますが、「看了一眼」(チラッと見る)など、非常に生き生きとした表現ができるようになります。
まとめると、量詞は、自分が見たこと・感じたことを生き生きと表現するのに必須なのです!
量詞の効率的な覚え方3ステップ
皆さんお待ちかねの量詞の効率的な覚え方をご紹介します。
ステップ① 个を覚える
まずは、とにかく「个」を覚えましょう(ちなみに台湾等の繁体字では個です)。
ぶっちゃけ困ったときはとりあえず「个」でいいと思います。よっぽどのことがない限り(不自然さは否めないにしても)、「个」で通じるはずです。
ここで大事なのは、个を覚える時に、中国語では多くの場合名詞の前には量詞が必要だということを頭に叩き込むことです。
日本語でも、「一杯の水」などと言う時には一杯という量詞っぽいものを使いますが、「この人」という場合には特に何も使いません。
しかし中国語では、「这个人」という形で、个が必要になります。
というわけで、まずは「个」を覚え、量詞を入れるべきところに(个で良いのかはひとまず無視して)、「个」を入れることができるようにすると良いはずです。
ステップ② よく使うものを5つ覚える
次のおすすめは、よく使うものを5つ覚えることです。
具体的に説明すると、「个」で代用できないけどよく使う量詞を覚えるのが良いと思います。
そんなの難しい!と思われるかもしれませんが、「个」で代用できないということは、形状が明らかに「个」ではない物を数える時に使う量詞であるということなのでむしろ覚えやすいです。
おすすめは、①条(tiáo)、②张(zhāng)、③本(běn)、④双(shuāng)、⑤位(wèi)の5つです!
それぞれ簡単に説明します。
①の条は細長い物(細長さにそのものの特徴が見出されるような物)に使われます。「一条路(一本の道)」などです。「个」には細長い要素はゼロなので、「条」の代わりに「个を使うことはできません!
②の张は平たいもの(平さにその物の特徴が見出される物)に使われます。
ここで、「一张桌子(一台のテーブル)」の例を出すと平さにその物の特徴が見出される物に使われる、という意味が分かりやすいと思います。
テーブルってそれ全体は別に平らではありませんよね?しかし、テーブルで重要なのは、その平面があることです。というより、本質的な部分は広く平らな部分(脚ではなく)にあるはずです。というわけでテーブルは「一张桌子」と言います。
他にも、紙や切符など、明らかに平べったい物にも当然「张」を使い、それぞれ「一张纸」、「一张车票」になります。个には平べったい要素も当然ゼロなので,张の代わりに个を用いることもできません。
③の本は書籍系の物に使います。日本語の冊とほぼ一緒と思ってもらえれば大丈夫です。例えば、一冊の雑誌は「一本杂志」です。
④の双は2つで1セットになっている物に使います。
例えば、一膳の箸は物理的には二本の木の棒ですが、2本セットじゃないと端としての機能がありません。それゆえ、一膳の端は「一双筷子(yìshuāngkuàizi)」と言います。
さらに靴も片方では意味がないので「一双鞋(yìshuāngxié)」です。双を个で代用することはできません。仮に个にしてしまうと、2つのうち1つだけを数えているみたいになってしまうかもしれません。
⑤の位は人間を敬意を表して数える場合に使います。これを覚えておくべき理由は、大学などで、この先生は〜と言いたい時に这个老师などと不穏当な発言をしてしまうことを避けるためです。
先程も軽く説明しましたが、个には敬意は全く込められていませんし、なんなら喧嘩口調の時すらあります(例えば「好你个小丫头(この小娘め)」などの个)。「这位老师」、「这位同学」、「这位客人」などのように使います。機能的には「位」は「个」と入れ替えできますが、意味的には入れ替えできません。
ステップ③ 特徴的なものから覚える
ステップ③は特徴的なものから覚えることです。
特徴的な物としては、日本語の用法とほぼ同じ「辆(liàng)」(車などを数える両と同じ役割です)や「只」(日本語の匹とほぼ同じ)などがまずはありますね。
他には、「朵」(花などを数える)、「座」(山などどっしりとした物を数える)、「门」(外国語などを数える)、「家」(商店などを数える)があります。
今挙げたような、他と区別しやすい物から優先的に覚えていくと良いでしょう。
ステップ③からは中級者への入り口なので、自分にとって覚えやすい物から選んでいくことも一つの手です。
次は量詞を効率的に勉強していくための心構えを説明していきます!
量詞を覚える時の心構え3選
心構え① 間違えても気にしない
まず最も重要な心構えは間違えても気にしないことです。
そもそも量詞は日本語にはない要素なので、最初から完璧にできるはずありません。
ですから多少間違えてもそれは仕方ありません。
最初に注意すべきことは、どの量詞を使ったかということよりは、量詞を使うべきタイミングで使えていたかどうかです。
場合によっては、中国人同士でも意見が割れたりすることもあるので、どの量詞を使うべきかについてそんなに神経質にならなくても大丈夫です。
トライアンドエラーを繰り返すうちに必ず理解できるようになるので大丈夫です!
トライアンドエラーの道具として、問題演習を積み重ねるのもおすすめです!
心構え② 丸暗記しようとしない
丸暗記も絶対NGです!
まず、量詞を丸暗記しようとしても全くうまくいきません。
最悪の手段だと思ってます。
そもそも量詞は、イメージを表現するためにあるので感覚的に使うべきであって、暗記しようと思って暗記するものではありません。
ただなんとなくやってるだけでは、たいていの中国語の分野はうまくいきませんが、量詞に関してはなんとなく触れているだけでイメージが掴めるようになります。
日本語と共通した量詞もあるにはあるので、本当にイメージさえ掴めばなんとかなります。
先ほども書きましたが、私自身かなり量詞が苦手だったので、丸暗記せずイメージを掴むという方法が1番の近道なんだと思います。
まあやっぱりなんでもそうですが、丸暗記勉強って楽しくないですよね。
心構え③ イメージを大切にする
さっきも書きましたが、量詞は語り手のイメージを表現する機能もあります。
ですから、とにかくイメージを大切にして量詞に向き合うことが大切です。
この名詞にはこの量詞!みたいな覚え方は本当に退屈ですし、しかも間違えやすいです。
ちょっと問題ですが、「肉」には「块」と「片」どちらを用いるでしょうか?
正解は、どっちもです。「一块肉」なら肉一塊、「一片肉」なら一切れの肉です。
また、同じビールでもジョッキに入っていれば「一杯啤酒」でしょうし、ビンのままなら「一瓶啤酒」ですね。
こんな感じで、そもそも量詞によって名詞の形状が特定されることもあるので、この名詞にはこの量詞だ!っていう考え方は放棄して、この形にはこの量詞という考え方に変えましょう。
使い分けに迷った時もイメージが大切です。
例えば、「杯」と「碗」の使い分けですが、確かに暗記しようとするとしんどいかも知れません。
しかしこれは,それぞれ「杯子(コップ)」、「碗(お碗)」で数えるものについて使い分けがあるに過ぎません。
丸暗記だと日本語のご飯一杯は「杯」か「碗」かよくわからなくなるかもしれません。しかしご飯は通常コップではなく茶碗に入っているので、「一碗米饭」が正解です☺️
ちなみに、ご飯がコップに入っている場合には「一杯米饭」ということも理論上は可能だと思いますが、それはもう日本語のご飯一杯ではないですね笑
まとめ
さて、ここまでつらつらと書いてきましたが、なんとなく量詞の勉強の方針は掴めましたか?
今回の記事では、量詞の勉強方法についてご紹介しました。
以下のことを覚えて帰っていただけると幸いです。
①何よりイメージを大切に!
②まずは个から覚える!
③次に、张、条、位、双、本を覚える!
④間違えても気にしない!
⑤量詞を使いこなす楽しさを感じる!
初心者向けの独習用の教材としては、文法書としてこちらが、
問題演習書としてこちらがおすすめです。
それから量詞を含め中国語全般について面白く書かれている本としては、こちらの本がおすすめです。
私は中国語関係の本を大量に読んでるので、その中からおいおい書籍紹介もやっていきたいと思います!
中国語の勉強全般が気になる!という方には以下の記事もおすすめです。





